こんにちは。
最近、アジャイル開発を行なっているプロジェクトが多いですね。
でも、ウォーターフォール開発とアジャイル開発は、それぞれにメリット、デメリットがあり、プロジェクトごとに選択が必要です。
今回、20年以上システム開発にたずさわってきた経験から、ウォーターフォール開発とアジャイル開発を比較してみました。
ウォーターフォール開発とアジャイル開発の本質的な違いが明確になり、プロジェクトをどちらの手法で進めるかの手助けとなれば幸いです。
ウォーターフォール開発の基本と特徴
ウォーターフォール開発とは、計画、要件定義、設計、開発、テスト、リリースの工程を順番に進める開発手法のことです。
滝のように、上から下へ流れることから「ウォーターフォール開発」と呼ばれています。
ウォーターフォール開発の場合、後戻りは基本行わないのがルールです。
メリット
ウォーターフォール開発には、以下のようなメリットがあります。
- プロジェクト管理の容易さ
- ドキュメントの充実
- 大規模プロジェクトと相性がいい
計画や要件定義の工程で、作る機能が洗い出されるため、コスト管理が容易になります。
また、各工程の成果物を明確にするため、ドキュメントが充実します。
デメリット
デメリットは、以下になります。
- 柔軟性の低さ
- 手戻りのリスクが高い
ウォーターフォール開発では、前工程への手戻りは、タブーとされています。
なぜなら、後工程への影響が大きくなるからです。
そのため、プロジェクトの途中で、機能の追加・変更を行うとコストが膨れ上がるリスクが高いです。
アジャイル開発の基本と特徴
アジャイル開発は、機能単位の小さなサイクルを繰り返しながら開発を進める手法です。
変化への対応を重視し、顧客からのフィードバックを取り入れながら改善し開発を進めることが可能です。
メリット
アジャイル開発には、以下のようなメリットがあります。
- 変化への柔軟性
- 早期のフィードバック
- リスクの分散
アジャイル開発における1番のメリットは、変化への柔軟性です。
動くシステムを早期に顧客へ提供するため、顧客からのフィードバックを受けやすく、機能の追加・変更を行いやすいのが特徴となります。
デメリット
デメリットは、以下になります。
- 全体を把握するのが難しい
- チームの連携が必須
- 納期、予算の確定が難しい
アジャイル開発は、変化に対して柔軟であるがゆえに、プロジェクト管理が難しくなっています。
特に、進捗管理が難しく、納期やコスト管理が困難です。
徹底比較!ウォーターフォール vs. アジャイル
ウォータフォール開発とアジャイル開発を比較すると、以下のようになります。
| 比較項目 | ウォーターフォール開発 | アジャイル開発 |
| 開発スタイル | 全体の計画を先に確定し、 順番に進める | 小さな機能を繰り返し開発し、 変更に柔軟に対応 |
| 計画・ドキュメント | 詳細なドキュメントと厳格な 計画を重視 | 動作するソフトウェアと コミュニケーションを重視 |
| 顧客の関与 | 計画・検収時など、関与の タイミングが限定的 | 開発期間中、継続的に フィードバックに参加 |
| 仕様変更 | 非常に困難・高コスト | 比較的容易・低コスト |
| 納期・予算 | 事前に確定 | 変更により変動 |
ウォーターフォール開発とアジャイル開発の違いは、何を重視するかの違いです。
ウォーターフォール開発は、管理を重視しています。
アジャイル開発、変化への適応を重視しています。
最適な適応パターンと判断基準
プロジェクトが、どちらの開発手法に適しているかを以下に記します。
ウォーターフォール開発が適しているプロジェクト
ウォーターフォール開発は、予算や納期が厳格に定められているプロジェクトに適しています。
そのため、要件が明確になっていることが必要となります。
また、進捗の遅れがコストに直接影響するため、経験豊富なチームで、計画通りに進められる体制が整っている必要があります。
私の経験では、ウォーターフォール開発では、後戻りが難しいため、各工程で承認処理が設けられていました。
つまり、各工程の成果物が必要となる場合は、ウォーターフォール開発が適しています。
アジャイル開発が適しているプロジェクト
アジャイル開発は、要件が固まっておらず、市場や顧客の反応を見ながら開発を進めるプロジェクトに適しています。
アジャイル開発では、顧客のフィードバックが重要となります。
そのため、定期的に顧客が会議に出席して、フィードバックを行う必要があります。
私の経験では、ユーザーインターフェースを重視するシステムでは、アジャイル開発が適しています。
しかし、納期や予算の確定が難しいため、プロジェクト開始前に確定が必要な場合は、コスト管理や進捗の管理が、非常に難しくなります。
両者を組み合わせた「ハイブリッド型」の選択
その他に、ウォーターフォール開発とアジャイル開発を組み合わせた、ハイブリット型の開発手法もあります。
具体的には、基盤部分はウォーターフォール開発を行い、ユーザーインターフェースはアジャイル開発を行う手法です。
ハイブリッド型の場合、要件定義で必要な機能を確定してしまい、後の工程は、基盤部分とユーザーインターフェースで別々に開発を進めることが可能です。
また、顧客は、ユーザーインターフェースを重視するため、変更が用意となります。
納期や予算についても、ある程度の予測が立てられるため、確定までの難易度を下げられるでしょう。
まとめ
ウォーターフォール開発とアジャイル開発は優劣の問題ではなく、プロジェクトによって選ぶことが必要となる手法です。
顧客の要望や予算、体制の状況などによって、適切な選択が必要となるのです。

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