こんにちは。
私は、よくシステム開発の見積り作成を行います。
見積書をお客様に提出すると、以下のような言葉をかけられます。
「結構するのですね」
「この金額は妥当なのですか?」
「何にそんなに金額がかかるのですか?」
確かに、これまで計算ソフトなどで業務をしてこられたお客様にとっては、高額に感じるでしょう。
そこで、今回は、システム開発の費用についてまとめてみます。
システム開発の費用は、どのようにして決まるのかと言うと、主に以下のようになっています。
- システム開発の費用は、人件費+光熱費+リスク費です
- 人件費はエンジニアの経験の長さ
- リスク費は開発の難しさ
今回は、話を単純化するために、運用保守については考慮していません。
私は、15年以上プログラマーとして働いてきました。
その間、多くのプロジェクトにも参加してきました。
今は、小規模のシステム会社にプログラマーとして勤めており、自社で請け負う開発の見積りもよく行っています。
このような経験を持つ私が、実際、システム開発の見積りを行った経験をもとに、以下で細かく説明していきます。
システム開発の費用は、人件費+光熱費+リスク費です
システム開発の費用は、以下の式で計算されます。
費用 = 人件費 + 光熱費 + リスク費
これは、どのシステム会社でも同じだと思います。
そして、工数が短縮できた場合や、リスクを回避できた場合は、残金が利益となるのです。
なので、システム会社では、独自でノウハウ集を作成したりしています。
しかし、それは企業秘密で、経験豊富なシステム会社が安くなることはありません。
特に、大企業ともなると、お客様によってウェイトを掛けていたりします。
人件費はエンジニアの経験の長さ
費用の計算を行うのに、1番費用が大きいのは人件費です。
人件費は、以下の式で計算されます。
人件費 = 1日の単価 * 日数
1日の単価は、担当するエンジニアの経験によって異なります。
見積りを作成するエンジニアが経験が長ければ高くなり、経験が浅ければ安くなります。
しかし、見積りは、経験がないと作成が難しいため、大体が経験の長いエンジニアが担当します。
そして、実際の作業は、経験が浅いエンジニアを含めて進められるのです。
そのため、1日の単価は、会社によって決められていることが多いです。
日数は、各工程で費やす日数になります。
単純に見れば、経験の浅いエンジニアで作業すれば、費用は安くなるように思われます。
しかし、経験の浅いエンジニアだけでは、日数も膨らみ、品質もよくないことがあります。
なので、必ず経験の長いエンジニアが入るので、人件費は上がってしまいます。
リスク費は開発の難しさ
リスク費は、開発で発生するリスク対処のための費用です。
つまり、開発が難しい場合は、リスク費が上がります。
では、開発の難しさとは、どのように考えられるかと言うと、以下のようになります。
- 仕様が明確になっていない。
- 独自業務が多い。
- 仕様が実際に作業する手順に則っていない。
これだけではないのですが、リスク費が上がる理由としては、この3つが多いです。
では、1つずつ説明します。
仕様が明確になっていない。
明確な仕様が提示されないのが、1番多いように私は思います。
お客様、特に中小企業のお客様の場合、これまでアナログで行ってきたことを、そのままシステム化しようとすることが多いです。
そのため、画面イメージはあるのですが、実際にデータの流れがどうなっているのか明確になっていないのです。
そうなると、要件定義や基本設計などで詰める必要があり、そこで仕様の変更が発生するリスクが大きくなります。
独自業務が多い。
上でも述べていますが、アナログで行ってきたことを、そのままシステム化しようとするため、そこには独自の業務が多く含まれます。
そのために、一般的な処理が使えなくなります。
それに、独自の業務が多い場合は、他にも影響を及ぼす業務があったりします。
そのため、リスクが大きくなってしまうのです
仕様が実際に作業する手順に則っていない。
これは、中小企業に多いのですが、仕様を実際に作業する人が検討していなことがあります。
社長さんが、業務内容から推測して仕様書を作成しているのです。
大きな業務の流れは、あっていることが多いです。
しかし、詳細な手順が間違っていたり、実際には別の処理があったりすることがよくあります。
そのため、仕様を鵜呑みにして開発を進めると、後の工程で大きな手戻りが発生することがあります。
これは、プロジェクトに実際の作業者を参加してもらうことで回避できるのですが、やはり仕様変更のリスクは高くなります。
値切る顧客の見積りは高くなる
もう1つ付け加えておくと、値切るお客様の見積りは高くなってしまいます。
長年お付き合いのあるお客様の中には、費用を値切るお客様も出てきます。
しかし、開発にかかる費用は、決まっています。
費用を抑えると、人件費に影響するので、納品の時期が遅れたり、品質が悪くなることが多いです。
システム会社としては、納期の遅延や品質の悪化は、ブランドイメージに関わるので避けたいところです。
なので、1度値切られると、システム会社側は、次の見積りから値切られるリスクを考慮する必要が出てきます。
まとめ
今回は、システム開発の費用が、なぜ高いのかについてまとめてみました。
システム開発の費用は、人件費+光熱費+リスク費です。
人件費は、担当するエンジニアの経験によります。
リスク費は、プロジェクトの難しさです。
つまり、人件費が安い場合は、作業期間が長く、品質が悪くなる可能性があります。
ただし、品質については、会社の信用に直結するので、下げるわけにはいきません。
なので、どうしても、システム開発の費用は高くなってしまうのです。
では、今日はこの辺で。
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